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2017年6月17日

「美しさを誘う熊野筆展」を開催しています

江戸時代から続く伝統を持つ、広島県・熊野地方の筆:熊野筆は、昔から、毛筆や絵筆として愛されてきました。今、熊野筆は、ナチュラルメイクの主流化や、それに伴う粒の細かいパウダー状の化粧品の登場によって、その活躍の場を机の上から鏡台の上にまで広げています。20170608_kkumanofude1

 

そもそも「熊野筆」とは、生産される地域だけでなく、その原料や技術・技法等、細かく定められた条件をすべてクリアした筆のことです。「筆は毛先を使ってかくもの」という基本を大切に、逆毛、擦れ毛などの処理が丁寧に行われているのも大きな特徴です。それ故に、その穂先の繊細さは他に類を見ません。「一度熊野筆を使ったら、もう違う筆は使えない」という方も少なくないほどです。20170608_kumanohude7

 

四方を山々に囲まれているという土地の性質も手伝い、筆の一大産地となった熊野。ですが、時代と共に筆をめぐる諸事情には変化が起きており、単純に先人の仕事に倣うだけでは質の高い筆を作り続けることは困難になっています。そんな中、高品質で安定した製品を作るため、中村製作所は試行錯誤を繰り返し、より良い筆作りを続けています。近年、筆の材料である毛の質、量はともに減少傾向にあります。また、獣毛は毛の傷み具合など、状態が安定していないので、熟練の職人の腕をもってしても、品質を完全に均一に保つのは、ほぼ不可能であると言わざるを得ません。そこで、中村製作所では獣毛に人口毛を混ぜたり、人口毛のみで筆を作ることによって、さらなる品質の安定を実現しています。

(▼獣毛に人口毛を混ぜた、Naoシリーズ。コシのある肌あたりが特徴です。)20170608_kumanofude2

 

人口毛を使うことには、品質の安定と向上以外にもメリットがあります。獣毛に比べ、人口毛は手入れがしやすく、薄めた中性洗剤などで手軽に洗うことが可能です。筆に残った化粧品で肌荒れを起こしてしまう方も安心して使って頂けます。人口毛には抗菌作用のある成分も練り込んであるので、清潔に使うことができるのも大きな利点です。また、動物の毛によって引き起こされるアレルギーもないので、その点も安心です。そして最大の問題は粉含みの良し悪しですが、人工毛の表面には梨地のようなデコボコがあり、これがキューティクルの代わりになって、粉をしっかりとキャッチします。そんな細工がされているこの人口毛の直径は、一番太いところでも0.050.07mmというから驚きです。

さらに、そんな人口毛の特色を活かして、こんな製品も誕生しています。▼
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写真で洗っているのは手ですが、こちらの商品は洗顔筆です。水に塗らして使うという製品の特性上、獣毛で作られたものは匂ってしまいがちということですが、中村製作所のものは抗菌作用のある人口毛のため、快適に使うことが可能です。また、肌への負担を考え、0.05mmの毛のみを使い、化粧筆よりも繊細に仕上げてあります。本展示では、写真のように洗顔筆の体験もして頂けます。その他にも、Moeシリーズ(全て人口毛のタイプの筆)の穂首を使った、ふわふわさらさらの質感のストラップが作れるWSや、新商品の先行販売も行っております。普段、化粧筆を買う際に不安な事、知りたいことが分かりやすい展示となっております。

 

(▼筆の穂首を使った、筆ストラップ)

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「美しさを誘う熊野筆」展

<会期>

2017年6月8日~6月20日 10:30~19:00(但し最終日は17:00迄)

※水曜定休

<会場>

monova garally

<場所>

東京都新宿区西新宿3-7-1 リビングデザインセンターOZONE  4階

<主催>

中村製作所

Written by Higashikawa