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フタバモデル製作所に行ってきました!

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)でつくられた「カーボンダルマ」をはじめとする「MADNESS(マドネス)」の製品。

monovaでも注目度が高く、一目みて「なにこれ」「すごい!」「どうやって作ったの?」と、びっくりする方が多いです。

MADNESSは、2015年に株式会社フタバモデル製作所のブランドとして誕生しました。
MADNESSを直訳すると、「狂気の沙汰」、「熱狂する」といった意味になります。

「人々の驚きを超えたい」

「感動を与えるモノを作りたい」

「カーボン素材でしかできないモノを作りたい」

「カーボンの魅力をもっと知ってほしい!」

という想いがMADNESSにはこめられています。

monovaのスタッフにとっても未知の分野のものづくり。もっとカーボンのことを知るべく、フタバモデル製作所に行ってきました!

岐阜県・安八郡にある「株式会社フタバモデル製作所」は約50年前木型製作会社として誕生し、時代とともに金型加工、自動車部品、航空機部品、カーボン部品の試作・量産など事業領域を拡大してきました。アルミ、鉄、チタンなどの金属加工をはじめ、樹脂加工やCFRPの成形まで、材質を問わず幅広い分野のものづくりを支える設備を取り揃えています。

▼工場内の様子がこちら

▼この日は、下の画像のような金属のブロックを設計図どおりに削りだし、精緻な部品作りを行っていました。

 

こことは別の棟にカーボンの加工所があります。

≪そもそもカーボンとは?≫

CFRP-炭素繊維強化プラスチック(カーボンファイバーとプラスチックの複合材料)は、一言でいえば「軽くて強い素材」

鉄よりも強く、比重は鉄の1/4とアルミより軽いです。車や航空機、スペースシャトルにも使われている素材で、化学薬品にも強く、熱を加えたり強い力を加えても、割れてしまうまでは変形することはありません。利用普及したのはここ20~30年の歴史に過ぎず、まだまだ新しい素材です。そのため材料自体が高価で、成型、成形後の切断や穴あけなどの加工には、特殊な設備が必要となります。

カーボンの型作りから加工・成形まで一貫してできるフタバモデル製作所は、国内でも非常にめずらしいメーカーで、宇宙開発の分野にも携わる高度な技術を持っています。

▼カーボンシート
作りたい製品・用途によってカーボンの加工はいろいろな方法があり、カーボンシートの素材も様々な種類があるとのこと。

カーボンダルマも大きさによって成形方法が違います。

今回は中ダルマ・小ダルマの成型方法(RTMと呼ばれる方法)を、ざっくりと ご紹介します。

仮の型にカーボンシートを貼り付けて、クセ付けをします。

仮の型にカーボンを貼る作業のことを、「賦形(ふけい」」といいます。曲面に賦形するのはシワになりやすく非常に難しいため、熟練の技術がないと、綺麗な布目は出ません。ダルマの賦形はカーボンの合わせ目から放射線状に広がるようにシワの見せ方にもこだってひとつひとつ丁寧に手張りしていきます。

ふけい型からカーボンシートを外し、本型にカーボン素材のしわを取りながら貼っていきます。

だるまの表と裏が貼り付けられたら、専用の装置に入れ、高温の状態で内圧と外圧をかけて真空状態で樹脂を流し入れ硬化させていきます。

柔らかなシートがカッチカチになりました!ここから専用の機械でバリを削り取り、磨いて塗装を施していきます。ここまでの工程で多くの手間と時間がかかるため、カーボンダルマは限定の製作となります。(中ダルマは月に5個ほどしかできません)

 

ちなみに、極小だるまや招鬼猫(まねきねこ)などは、すでに樹脂が浸透させてあるカーボンシート(プリプレグ)を用い、ある程度の厚みになるまで何層か重ね、型に入れて熱を加えながらプレスで成形加工を行います。

▼カーボン招鬼猫(まねきねこ)
愛知県高浜市の三州瓦の女性鬼師・Kumiさんにとのコラボレーションで生まれました。招き猫に鬼瓦のテイストが少し入ったユーモアな「招鬼猫」です。

強い素材のカーボンは何万本もの炭素繊維の束が織り重なり、ほつれることはありません。そのことから、「家族・夫婦・恋人との絆」、「強い心」の象徴する素材とも言えます。さらに、素材自体が黒いので、「地が黒い」→「黒字」となり、縁起物の素材ともいえるでしょう。

 

平成最後の年末となりました。

カーボンを現代の縁起物として、飾ってみてはいかがでしょうか?

 

【フタバモデル製作所HP】 http://www.futabamodel.co.jp/

【MADNESS HP】  http://www.madness-carbon.com/

 

written by Fujimoto