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monova 槙田商店訪問レポート!

6月1日にmonovaのスタッフ一同で出展社訪問をさせて頂きました。今回は、槙田商店のレポートをお届けします!

第二弾 山梨県 南都留郡(みなみつるぐん) 150年の歴史を持つ織物メーカー 槙田商店

槙田商店は1866年(慶応2年)創業で、甲斐絹(かいき)を取り扱う織物屋としてスタートしました。

山梨県の郡内地方は富士山の湧水を利用した、絹の先染め織物が盛んでした。江戸時代、奢侈禁止令(しゃしきんしれい)により庶民は華美な着物が禁じられていたため、こっそりと着物の裏地でおしゃれを楽しむ「裏勝り」が流行し、それが「粋」とされました。郡内地方で織られた装飾性の高い着物の裏地が、江戸や大阪に流通して現在も引き継がれています。

甲斐絹の布の特徴は、細い糸を使うため、密度が高くてコシがあり、薄くて軽いこと。先染め(糸を染めてから布を織る)の生地で、立体感のある美しい柄と色合いが楽しめます。

洋服の文化になり、郡内地方ではそれぞれの機屋がネクタイやドレスの生地に特化した布を織るようになりました。槙田商店は、昭和29年頃から傘の生地作りにシフトして「先染めの洋傘生地」として全国的に地位を確立しました。

傘の製造まで手掛けるようになり、50年以上経ちます。開発を続け、自社の工場ラインを整備し、現在では、多くの有名ブランドの傘や洋服の生地も槙田商店で織られています。

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ジャガード織りの大きな花柄の美しい生地。布の柄が大きければ大きいほど、糸が浮き出て水が浸透しやすくなるため、傘生地にするにはとっても難しいのです。ところが、この生地のたて糸の本数、な、なんと!12,000本!1cmに80本以上の糸が織り込まれているのです。糸、生地の密度にもこだわって、布を織ることによって、大きな柄模様を可能にしています。糸の扱いを知り尽くした槙田商店ならではの技術。他では作ることができない真似できない生地です。

 

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現在、自社工場には12台の織機と、試し織り用の織機で計13台の織機があり、毎日布を織っています。ガシャン!ガシャン!と、よこ糸を打ち込む音の迫力に圧倒されます。

1本1本たて糸を織機にセットするのは手作業。1万2千本を、綜絖(そうこう)と呼ばれる小さい穴に通し、さらに筬(おさ)という細い目に通す…。1つでも通す穴を間違えたら、大変なことになります。集中力の要する、気の遠くなるような仕事です。

 

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織り上がり、撥水などの加工をされた生地を、このように柄を合わせながら手作業でカットしていきます。

 

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その後、カットされた生地を1枚ずつ検品をして、ミシンで縫い合わせていきます。

 

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傘の部品も手作業で糸で取り付けていきます。槙田商店の傘は一貫して地元の方々の手によって作られているのですね。

これほどの手間をかけて丁寧に作られているとは、想像できませんでした。今までの傘の扱い方を反省し、もっと大事に使いたいと思った1日でした。

6月16日(木)~28日(火)の期間、monova gallery にて槙田商店の「織物屋がつくる傘、日傘展」が始まっております!

https://www.monova-web.jp/gallery-orimonoyagatukurukasahigasaten2016/

「持っていて楽しくなる傘」「素敵にみえる傘」「大切に使いたくなる傘」を探しに来てくださいね。

わたしも、大切に使いたくなる、とっておきの傘を見つけたいと思います。

槙田商店 http://makita-1866.jp/index.html

written by fujimoto