Shimaai 訪問レポート!
※農園隣にあるShimaai1号店にて
大濱豪さんは、石垣島の恵まれた自然の中で、化学肥料や除草剤などを使わずに土をつくり
藍染の原料となる八重山藍「ナンバンコマツナギ(南蛮駒繋)」を育て、
収穫→発酵→染料作り→染め→製品開発まで、すべて一貫して手づくりで行っています。
そんなスローな藍染を、彼は「島藍」と名づけました。
八重山藍「ナンバンコマツナギ」から青・紺を、フクギ(福木)の皮から橙を。
島の自然から採り出した色で、島の自然を表現しています。
藍染の原料・ナンバンコマツナギは、南米が原産地と言われ
現在は東南アジア・インドネシア・インドなどに幅広く分布する「マメ科」の木藍の一種。
古くに八重山諸島に伝わってきた、外来の藍植物です。
このゴマより小さな粒が種!
さすがに2月はシーズンオフでして・・・種はこの鞘のなかに収まっています。木の高さは、1mほど。
四国・徳島県の蓼藍から作られる「すくも」とは異なり、「沈殿藍」と呼ばれる原料に加工します。
「沈殿藍」は植物から藍色素を抽出する手法で、より純度の高い青色を染めることができるのが特徴です。
ここで、藍染の方法について簡単に・・・
藍染は、どんなで方法であれ植物から「インディカン」という藍の成分を抽出することからスタートします。
インディカンは不溶性のため水に溶けません。
でも、アルカリに傾けることでインディカンはインドキシルに変化、
この液に浸し取り出し、空気に触れさせると鮮やかな青色に発色します。
この回数が多いほど、濃く発色し、深い藍色になるのです。
収穫したナンバンコマツナギの枝葉を約20時間水に漬け込み、
枝葉を取り除いた液に消石灰を入れ攪拌します。
始めは青い泡が溢れるほどに立ちますが、しだいにその青は液中に混ざり
しばらくすると底に沈殿物ができます。その沈殿物を濾して成分を凝縮していきます。
これが沈殿藍と呼ばれる藍の原料。
この沈殿藍に、木灰と石灰、栄養源として小麦粉や米糠などを入れて時間をかけて醗酵させ、染液を作ります。
加熱することなく植物から色素を採り出す手法や、常温で染液を醗酵させることができる環境は
石垣島ならではの自然環境のなせるもの。
薬品類を使用していないので廃液を土に返すことができ、それもまた土の力に変わります。
「古くから八重山諸島だけで用いられてきた島ならではの素材を、さらに魅力溢れるものにしたい。」
お話しを伺って見えてきたのは、モノづくりより先にあった「藍農園づくり」の強い想いです。
石垣島は、ナンバンコマツナギを日本で採取できる最北端の地。
山や道端に植生するものの、野生の植物を採取して生産するには環境破壊のリスクが伴い
生産数も生産可能な期限も保障されません。
「循環型の、管理された農園で採れる藍で、商品を作りたい。」
2003年にたった1人でスタートした農園は、沢山の方に支えられ、今年で13年目を迎えています。
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大濱さんはご親族の皆さんが繊維関係に携わっておいでですが
特に、おばあ様とお母様がミンサー織の継承に深く寄与していらっしゃいます。
『いつ(五つ)の世(四つ)』の絣柄で知られる
「八重山ミンサー」は素材が木綿、組織が平織り、生産地が石垣市と竹富町とする織物。
戦後、時代の推移とともに衰退の一途にあったこのミンサー織を何とか残そうと奔走したのがおばあ様。
東京へ修行へ行き、「時代に合ったモノづくりは何か?」という問いに真剣に向かい合いました。
そして「みんさー工芸館」の立ち上げ~1990年4月、経済産業省から伝統的工芸品に指定されるに至ります。
工芸館で展示されているパネルに写る、おばあ様。
ミンサー織は、女性が愛する男性に贈った『帯』でしたが、現代の暮らしに合わせて沢山商品展開がなされました。
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スリーカラーのストライプが定番ラインとなって3年。
象徴的なアイコンを武器に、ますます力強いメッセージを発信するShimaai。
お話を伺い、ストライプに大濱さんのルーツが見て取れました。
次回記事では、昨年オープンさせたお店をご紹介します!
written by kawata