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『秩父太織・石塚工房のシルク展』つづき!

さて、先週木曜からスタートした「秩父太織・石塚工房のシルク展」。

今回の展示に当たり、石塚工房に関わりのある2軒をご紹介したいと思います!

※蚕の幼虫・成虫画像があります。虫嫌いな方は見るべからず。

 

■秩父の養蚕農家・久米さん

 

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久米さんは、秩父の養蚕農家さん。
今でも昔ながらの製法(無農薬の桑葉)で蚕を飼育されています。
聞けば、今はペレット状の人工飼料も出回っているとか。
スナック菓子を食べるより、きちんとした食事を!は、お蚕さんにも通じています。

 

養蚕農家さんは、桑の葉がある5~10月に蚕を飼育します。

孵化した蚕を、飼育するために整えた置き場に移す時期が年間3~5回(多くて6回)。
その飼育時期を蚕期といい、4月中旬~6月上旬を春蚕(はるさん)、以後、夏蚕(かさん)、初秋蚕、

晩秋蚕、晩晩秋蚕、初冬蚕と名前がついています。

この蚕期によって、繭の大きさや品質も異なります。

 

 

 

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上の写真で、久米さんが手に持っていらっしゃるシートの中身がコレ。卵です!(※小さな点々の方)
卵は、長径1.3mm/短径1mm/厚さ0.5mmほど。
ゴマ粒ほどの大きさの卵を無菌状態で10日前後。安心の環境で孵化を待ちます。

 

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小さいですが、立派な蚕です。

 

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桑葉を食べてどんどん成長し、1mmほどの卵が、4~4.5cmの成虫に!

体重は生まれたときの1万倍、体積は約30万倍のサイズになります。

蚕が一斉に桑葉をむしゃむしゃと食べる音は、機械が稼働しているかのような轟音だったとか。

 

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繭を作り始める前から成虫・カイコガになり、死ぬまでの約20日間、蚕は何も食べません。
清らかな糸を作るために、なんて健気な・・・!と思ってしまいますね。
繭1粒、糸長は 1300m~1500m、重さは 約2g。

 

蚕の寿命は50日。小さいけれど、健気。小さいけれど、侮れない。
久米さんが手塩にかけて育てられたお蚕さんが作った繭が、石塚工房のショールになるのです。
そして、もう1軒。
秩父で唯一!石塚工房さんの商品が購入できるのが、こちらのお店です!

(今回の展示でも、ツグミ工芸舎さんの木工アイテムを少しばかりですがご紹介しております。)

 

■ツグミ工芸舎・百果店 ひぐらしストア
http://tugumi-craft.jp/

 

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西武秩父駅から徒歩9分、秩父駅より徒歩4分。
築八十年を経た四軒長屋の一軒を改築した、雰囲気の漂うお店。
秩父神社近くの、買い継商通りというところにあります。

 

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江戸時代から絹織物「秩父銘仙」の生産が盛んに行われていた秩父地方では、
月に一度開催される「絹市」で仲買商が注文によって絹を買い、

江戸や大坂・京都などの呉服問屋に販売していました。
しかし、明治期には秩父銘仙の生産が増加したことにより、従来の取引方法では対応が難しくなり

秩父近郷の織物工場の出張所が集まる区域が形成されたのです。
ひぐらしストアさんのある「買継商通り」はそんな歴史のある場所。
国の登録有形文化財になっている建築物もあり、街歩きが楽しめます。
かつて秩父銘仙で賑わったこの通りですが、今ではひっそりとした路地裏といった風情。
ひぐらしストアさんは、また新たな賑わいが生まれることを願いながら営業されています。

 

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ツグミ工芸舎製の木工雑貨は
秩父の古民家の古材や、古道具など、購入せず身近で手に入る素材から生まれたもの。
他にも、やきもの、布もの、おもちゃ、作家さんの作品などなど、目を楽しませてくれる商品が沢山あり

ワークショップや小個展などの企画開催もされています。

 

秩父にお出かけの際は、ぜひお立ち寄りください!
written by kawata