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2013/10/17-2013/10/29

秩父太織・石塚工房のSilk(シルク)展

~しっとりとなめらか、ふっくらとあたたかい~  秩父絹織物産業が今に残す、やさしい手仕事

 

江戸時代、幕府の衣冠束帯用に秩父絹が採用され、堅牢な品質から《鬼秩父》《鬼太織》 などと称され、秩父絹は全国に名を馳せました。同じ頃、養蚕製糸を営む農家が換金できない繭(くず繭・玉繭など)や糸(太糸・熨斗糸)を利用して野良着をつくりはじめます。それが『秩父太織』です。その丈夫さは人気となり、換金性もあったため各養蚕製糸農家の副業として製織も盛んになります。

明治時期になると、秩父織物業は分業へと形態を変え、ほぐし模様捺染を創案し丈夫さと模様の良さから『秩父銘仙』として飛躍していきます。銘仙は織目堅牢の絹織物のことで、江戸時代、目専・目千などの字があてられた丈夫な太織を指します。秩父太織は秩父織物変遷の過程を知る上で貴重な生産技術です。

秩父太織は元来「着易く丈夫」。その理由は、100粒前後の繭を座繰り器と呼ばれる道具を使って一気に引き上げ、1本の糸にする製糸工程にあります。撚りをかけず引きそろえただけの糸は、練り上げるとふっくらとひろがります。そんな糸を経・緯に利用する秩父太織は独特な節となめらかな質感が特徴です。

石塚工房は、産地の繭、先の伝統技術と昔ながらの道具を使い、製糸~精練~染色~製織~整理までの全工程を手作業で行っています。 自前の糸(伝統技術)に+α(洋機織機の利用・織り方の工夫)することで、 他には無い風合いをだしています。この展示会では、製品(ストール)の他、秩父の養蚕農家、技法や道具もご紹介します。

秩父の織物文化と秩父太織独自の風合い、もの作りの楽しさを是非ご覧ください。

 

【石塚工房 概要】

1966年、埼玉県秩父の地で故石塚賢一は失われつつあった秩父太織の技術習得・道具の収集を始め、その技術を復元。以来、石塚工房では秩父太織の生産を続けている。故石塚賢一はその功績が認められ、1996年に秩父市指定無形文化財秩父太織生産技術保持者に認定される。現在、作り手は2名。一点ものの反物やストールを精力的に制作している。

<石塚工房ホームページ> http://www.ishizukakobo.jp/

 

-開催概要- 秩父太織・石塚工房のSilk(シルク)展

会 期 : 2013年10月17日(木)~10月29日(火)10:30 – 19:00 / 水曜定休 入場無料

会 場 : monova gallery   / 東京都新宿区西新宿3-7-1 リビングデザインセンターOZONE4階

主 催 : 秩父地域おもてなし観光公社/LOVE CHICHIBUプロジェクト

協 力 : LLP.プラスディー